コラーゲンの作用
コラーゲンは、からだの中で皮ふや骨、軟骨、腱、血管などに多く含まれるタンパク質です。体内には体重の約16%(体重60kgの人で約10kg)のタンパク質があ りますが、その約30%がコラーゲン(体重の約5%)です。
コラーゲンの主な役割は、からだの各組織がバラバラにならないように支持することです。また、水分を保持し、からだが干からびないようにする役割も担っています。さらに、3本の鎖状の繊維が「らせん状」に絡まった特殊な構造をしていて、バネのように伸び縮みするので、肌のツヤとハリを保ち、骨にしなやかさと強度を与えます。
例えば、皮膚の「コラーゲン」は、お肌をみずみずしく保ち、ハリを与え、また トラブルを起こしにくくしています。膝やひじといった関節などに存在する軟骨の「コラーゲン」は、さながらクッションの役割をして体重を支える部位の負担を軽減しています。また、血管の「コラーゲン」は血管をしなやかに保ち、臓器 にある「コラーゲン」はそれぞれの臓器が円滑に働くよう役立っているのです。
このように、「コラーゲン」は全身の細胞をひとつひとつ包み込み、体の機能を正常に保つため存在しています。肌・関節痛・骨粗鬆症にとどまらず、リウマチ ・膠原病・アレルギー・癌などに対する効用も、最近では取りあげられはじめています。今後も「コラーゲン」の研究には、大きな期待が寄せられています。
皮膚は加齢に伴い、新陳代謝が衰え、皮脂の分泌量や発汗量が低下します。そのため、乾燥やシワ、シミが増えてきます。その最大の原因のひとつに「コラーゲンの新陳代謝の衰え」があるといわれています。
コラーゲンの新陳代謝が衰えるとコラーゲンが古くなって、柔軟性がなくなり、 肌の水分を保つ場所も狭められます。その結果、保湿力が衰え、カサカサの皮膚 になり、光沢、つや、なめらかさが失われていきます。また、老化によりコラー ゲンが減少したり、ふくれたり、反対に細くなってさけてきたりするため、皮膚はハリを失い、たるんで小ジワができます。シミは、皮膚の新陳代謝が悪くなっ て、メラニンが消えずに残ってしまうためにできるものです。
残念なことに、年齢とともに新しいコラーゲンはつくられにくくなり、古いコラ ーゲンが体内に残ってしまうようになります。古いコラーゲンは新鮮なものに比べて柔軟性がなく、また繊維同士にすきまがなくなって水分も保たれにくくなるなど、いろいろな障害が起こってきます。弾力があるからこそ、きちんと保水力 が機能していたものが、失われてしまうわけです。
コラーゲンの体内量は20歳代までが最も多く、 それ以降は減少傾向にあり、40歳 代ではその量が半分になってしまうといわれています。このようにコラーゲンの分解と合成の能力のバランスがくずれると、お肌もカラダも老化が進むのです。 ぜひ30歳代以降は、積極的なコラーゲンの補給をこころがけましょう。
それでは、コラーゲン配合の化粧品を積極的に使うことで肌の老化は防げるのでしょうか?
残念ながら、答はノーです。化粧品に使われるコラーゲンは、主に保湿剤としての役割しか持ちません。ですから、肌の上からいくら重ねても、表面の角質層にうるおいを与えるだけで、一時的な効果しか得られません。
科学的にも現在の化粧品技術では、化粧品をいくら肌の上から与えても、真皮部分にまで到達させることはたいへんむずかしいといわれています。 ほんとうの美容・健康はやはり日々の内側からのケアがとても大切です。肌だけではなく、全身の健康にも必須のコラーゲン。美肌・アンチエイジング対策として日ごろからのサプリメント補給は大変有効です。